Wireless HD

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先週ラスベガスで開催された2009 Internatinal CESのパナソニックブースや東芝ブースでもでもされていたWireless HD。 昨年のCEATECでも出ていましたが、いったいどんな規格なんだろうと思っていたら、ちょうどいい記事がPC Watchに(なぜAV Watchじゃないんだろう)掲載されました。

WirelessHDの最大の特徴は、ミリ波帯を用いた広帯域の伝送が可能なことにある。その帯域は4Gbpsで、フルHD動画を非圧縮で伝送可能だ。ワイヤレス伝送時に圧縮/非圧縮のプロセスを必要としないということは、それに必要なチップのコストが不要になるだけでなく、非可逆な圧縮/非圧縮を繰り返すことによる画質の劣化を心配する必要もない。

対抗規格としては、JPEG2000やH.264で数十Mbps~100Mbps程度に非可逆圧縮してUWBで伝送する、TZero Technologies,Inc.のZeroWireあるいはWireless HDMIでしょうか。
ITmedia +D LifeStyle:見えてきた「ワイヤレスHDMI」の姿 (1/2)
「2009年4~5月ごろには製品に載る」,TZero社がUWBで1080p,60フレーム/秒の映像を伝送可能に - 通信 - Tech-On!
ZeroWireのほうは第一世代の製品が既に日立のWooo UTシリーズに載っているそうですが、一度圧縮して送るというのは画質の悪化や遅延が大きくならないかという心配があります。

その一方で非圧縮(可逆圧縮もかけてない?)で送るWirelessHDは帯域が本当に足りるのかが気になるところです。 規格上4Gbpsということですが、フルHD(1080)、24bit Color(RGB各8bit)、等速(60fps)の場合、
1920 × 1080 × 24 × 60 ≠ 2.986Gbps
と、既に帯域の3/4に到達してしまっています。 Wireless HDで差別化を図る必要がある中級以上の液晶TVの場合、倍速(120fps)対応とかDeep Color(RGB各10bitで計30bit)対応が必須ですし、今年中にはハイエンドモデルの一部が4K2K(4,096×2,160)または4x Full HD(3840×2,160)パネル+超解像に移行するでしょうから、4Gbpsでは全く力不足だと思います。

もちろん、チューナユニットからWireless HDでの伝送した後、パネル側で倍速化や4K2Kへの超解像を行う方法もあるでしょう。 Deep Colorだけの対応だったら3.732Gbpsなので理論上は帯域も足りる計算です。 しかしそれではパネル側の回路が肥大化してしまい、何のためにチューナユニットとパネルに分離するんだかわかりません。

これからのハイエンドTVを妥協せずに無線化するには、30Gbps (4K2K、Deep Color、120fps) ~ 60Gbps (4K2K、Deep Color、240fpsまたは120fps 3Dステレオ)くらい必要になるんじゃないかと思うのですが、いかがなものでしょうか。

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このページは、散財人が2009年1月13日 21:21に書いたブログ記事です。

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