東芝が、昨日発表された東芝サムスンストレージテクノロジー製のノートPC用HD DVDドライブを搭載したノートPCの開発を発表しました。
株式会社東芝は27日、HD DVDドライブを搭載し、HD DVD-ROMの再生が可能なノートPCを2006年初頭までに日本国内で発売すると発表した。
ノートPCでのモバイル環境でHDコンテンツを再生できると詠っているのですが、パソコンでの次世代DVD(BD-ROMビデオやHD DVD-ROMビデオ)再生って、コンテンツ保護の観点からかなり厳しいセキュリティ対策を要求するという話だった気がします。 1、2年前の話では、IntelのLaGrandeやAMDのPresidioなどのCPUのセキュリティーモード、セキュアなグラフィックチップ、そしてOSのセキュリティモードとしてMicrosoftの定めるNGSCB(Next Generation Secure Computing Base)が必須になるという話だったはず。 2006年初頭にそれらが揃う訳は無いのでいったいどういうことなんでしょうか。
ところが、PCアーキテクチャを考えた場合、NGSCBが実装されたOSと対応するプロセッサ、チップセットなど新しい基板技術の上でしかこれらの要求には応えられない。PCのDVI出力をHDCP対応にするとしても、PCIバス上を暗号化されていないHD映像が流れてしまえばコンテンツを盗まれる可能性は残るため、プラットフォームレベルで改善を施さなければ安全とは言えないからだ。
従って将来、PCでHD映像パッケージが再生可能になるとしても、それはLonghornをベースにした新しいPCプラットフォームとなる。本格的にHD映像パッケージが揃うとすれば2007年になってからだろうから、タイミング的にはさして悪くはない。
上の記事は半年ほど前ですが、確かその後、NGSCBが初期版のWindows Vistaには含まれないことが発表されましたし、この件はなし崩し的にOKってことになったんですかね。
ノートPCの場合、AGPバスやPCIバスをハックしてHDコンテンツストリームをダンプするなんて真似は難しいでしょうから、CPUからPCIバス経由でGPUに平文のHDコンテンツストリームを転送してもあまり問題ないのかもしれません。
でもRGB出力やDVI出力は無防備なので、HD DVDビデオはノートPC本体の液晶ディスプレイでは再生できても、外部モニターには出力できないなどの制限はありそうですね。
あるいはいっそのことノートPCにHDMI端子をつけてしまうのかもしれません。
HDハンディカムで自分で撮影した映像をH.264 AVCエンコード、オーサリングしてHD DVD-Rに焼いた"自作HD DVD"しかHD品質での再生が許されないって言う笑える話もありえますが。
最近のAVパソコンにはOSを起動せずにDVDが再生できるモードがあったりしますが、ああいう感じでHD DVDプレーヤーモードを用意して、そのモードでのみHDコンテンツの再生を許すというのもありですね。
でもそこまでしてPCでBDやHD DVDを再生するくらいなら専用プレーヤー(と安いPC)を買うよって話にもなりそうなので、ある程度は利便性を考えたところでハリウッドが妥協してくれるものと信じたいものです。
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