上空の大気の揺れを計測するための「ガイド星」を地上から高出力レーザーを照射することで作り出し、観測精度を10倍向上させる実験に国立天文台が成功したそうです。
レーザー光を空に照射して作った「にせの星」を頼りに暗い天体もくっきりとらえる研究を進めている国立天文台などは21日、米ハワイのすばる望遠鏡で画像の精度を約10倍向上させるのに成功したと発表した。
補償光学は、大気のゆらぎをリアルタイムで補正する技術だ。ハワイのすばる望遠鏡にも用いられているが、このたび2世代目の補償光学システムの開発と試験観測に成功した。このシステムを使うことにより、すばる望遠鏡の解像度は10倍になり、大気が存在しない場合の理論的解像力に匹敵する。さらに、従来と違って、どんな方向の空でも大気のゆらぎを補正できるようになる。
でもこれって、偽のガイド星が作られてしまった場所を観測している人にとっては迷惑極まりない光害になったりしないのでしょうか?
asahi.comやAstroArtsに掲載されている写真は30秒露出でだいぶ明るく橙色のレーザー光が映ってしまっています。
これではアマチュア天文家が星野写真を撮ろうとするとかなり影響を受けてしまうでしょう。
もちろん大切な研究に比べたらアマチュアの遊びなんてたいした問題ではないのですが、彗星や超新星を探すために全天を走査して写真を撮っている人なんかも、「なんか写ってる!」と思ったら「すばるの偽星かよ・・・」ってこともありそうな気が。
"天文家の最大の敵は天文台"なんていう皮肉めいた話になったり、"天文台建設に反対して座り込みを行う天文ファン"なんていう冗談みたいな話にならないといいのですが。
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