欧州超廉価版PS3?

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北米で$399で出ると噂されていた廉価版PS3ですが、まず欧州で10月10日から€399で発売されることが発表されました。 その内容はというと、PLAYSTATION2との互換性をきれいさっぱり捨てると言う衝撃のものでした。

FCCで存在が発覚、米国の小売レベルでも確認されていた廉価版プレイステーション3が正式発表されました。10月10日から欧州で投入されるのは、HDD容量40GBになり構成が簡略化、399ユーロに値下げされた新モデル。プレスリリースによれば「既存ユーザーの利用状況や欧州での市場動向を踏まえ、新モデルからメモリーカードスロットなど」一部機能を取り外したもので、従来4つあったUSBポートも2つに変更されています。

しかし最大の変化は、ついにプレイステーション2互換機能を完全に切り捨てたこと。

3月に発売された欧州廉価版PS3はもともと、日本版PS3および北米版初期型PS3で搭載されていたPS2互換用のEE+GSの代わりに、PS2互換性が低下することは覚悟の上で"GS相当LSI"のみを搭載する廉価版だったわけですが、今度は(おそらく"GS相当LSI"すら撤去することで)PS2互換性が完全になくなったわけで廉価版を超えた超廉価版と言えると思います。
今回のニュースは欧州市場への投入ですが、北米では既にHDDを80GBに増やす代わりに"GS相当LSI"になってしまったPS3が発売され初期型PS3は在庫限りになっていますから、今後北米でも超廉価版投入と言う流れになることは自然でしょう。

ただ、"GS相当LSI"はおそらく自社の減価償却済みの130nmプロセスのラインで製造されていますので、マザーボードへの実装子すっとかを含めても$10がいいとこ、PS3全体のコストから見ればただみたいなもんで製造できるんじゃないかと思います。 にもかかわらず、消費者が離れるリスクをとってまで削る意味があるのでしょうか?
ここで気になるのは、先月出たソニーセミコンダクターの長崎工場売却話です。 Cell B.E.を作っている工場が売却されるとしてこのニュースは話題になりましたが、この工場ではPSP用LSIやPS2/日本向けPS3用のEE+GS、そして欧米向けの"GS相当LSI"なんかも作っているはずです。 この話が実現してしまうと、今までのように"GS相当LSI"をただ同然で製造すると言うわけには行かず金を払って東芝に製造してもらうと言うことになり、"GS相当LSI"があまり必要とされていない欧州や北米向けPS3にまで搭載するのはもったいないと言うことになるのではないでしょうか。

欧州では従来のPS2互換機能ありのPS3は在庫限りと言う話なので、この超廉価版が日本にも展開されるのかと言うのは非常に気になります。 PS2(というかコンシューマゲーム機の)普及率が低くPCゲームが強い欧米市場ではPS2互換機能はあまり重要でないのかもしれませんが、日本ではPS2は圧倒的なシェアを誇りそしてまだまだ現役です。 薄型PS2と超廉価版PS3両方所有すればいいじゃんと言う話もありますが、日本の住環境ではPS2と超廉価版PS3(そしてWii)を並べておくと言うのは現実的ではないでしょう。
最近のソニーは、Walkmanのファイル転送を欧米市場向けでは専用ソフト不要にしたにもかかわらず日本向けでは(漢字の読み仮名検索対応のために?)SonicStage CP必須のままに据え置いたりと、同じブランドの製品でも地域によって機能を大きく変えてくる戦略をとることが目立ちますので、日本市場向けには、案外、EE+GS搭載PS3が継続されたり、あるいは"GS相当LSI"搭載PS3が導入されPS2互換機能もそれなりに維持されると言うこともなるかもしれません。

ところで、PLAYSTATION互換機能に関してはプレスリリースでもまったく触れられていませんが、PS1互換機能は日米版PS3でも最初から完全にソフトウェアエミュレーションなので、いまさら削ってもコストダウンにはなりません。 よって、継続されるんじゃないかと思っています。 PLAYSTATION Storeでの配信されるゲームアーカイブのソフトもPS1エミュレータを使ってますしね。
欧州にPS1のソフトがどのくらい出回っているかというと謎ですが。

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欧州超廉価版PS3ってPS2互換機能だけでなく、SACD再生機能も省略しちゃってるんですね。
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20071009/scee.htm

PS3のSACD再生機能ってHDMIで出力すると下手な専用プレーヤーよりも音質がいいということでオーディオマニアにも好評だったはずですし、フルソフトウェアデコードだから省略したところで1円も安くならないと思うのですが・・・
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20071009/scee.htm

ただ、PS3のゲームソフト買ってくれないオーディオマニアに買われても赤字が膨らむだけなので、あえて無効化することでオーディオマニアを寄せ付けないということなのかもしれません。

CDのアップサンプリング再生機能がどうなったのかも気になるところですね。

日本でも発表されてしまいましたね・・・
http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20071009/sce1.htm

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このページは、散財人が2007年10月 7日 01:01に書いたブログ記事です。

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